土地と建物と税金の三角関係の話


目次

・その1  固定資産税の賦課基準日

・その2  土地と建物の関係

・その3  土地と建物と税金の三角関係


その1  固定資産税の賦課基準日


この基準日とは、毎年1月1日のことを指しますが、この基準日に不動産と認定された土地と建物について翌年度固定資産税が課税されることになります。

したがって、建物のことだけを考えた場合には、年を越してから完成引渡を受ける工程で計画を立てると、建物については、1年分の固定資産税が節約できることになります。


(土地家屋調査士 松川 光夫)


その2  土地と建物の関係


土地についても基準日において、建物の敷地として利用しているかどうかで固定資産税が変わってきます。

 

単純に更地で基準日を迎えた場合には、規定通りの固定資産税額が課税されますが、建物の敷地として利用されて基準日を迎えた場合には、通常の固定資産税額から建物の床面積と土地の面積に応じて減額措置があります。

 

(1)小規模宅地の場合、住宅用地のうち住宅1戸あたり200平方メートルまでの部分は6分の1に減額

 

(2)一般宅地の場合、200平方メートルを越える部分で家屋の床面積の10倍までの部分は3分の1に減額

 

計算例 : 土地500平方メートル、建物100平方メートル

この場合、土地の課税価格は200平方メートルまでの土地の評価額の6分の1と、300平方メートルまでの土地の評価額の3分の1との合計額となります。

 

都市計画税についても(1)については3分の1、(2)については3分の2に減額されます。


(土地家屋調査士 松川 光夫)


その3  土地と建物と税金の三角関係


建物の新築の場合

 

(1)建物だけを考えると基準日を越えて新築すると節税になります。

 

(2)土地だけを考えると基準日の前に新築すると節税になります。

 

(3)したがってどちらがより節税になるかよく検討する必要があるということになります。

 

逆に建物を取り壊す場合

 

(4)基準日を越えてから取り壊すと土地の軽減措置を受けられますが、建物については1年分課税されることになります。

 

(5)基準日の前に取り壊すと土地の軽減措置は受けられませんが、建物については課税されなくなります。
このような場合には、建物の評価額が少なくなっていることが多いので、(4)の場合を想定したほうがより節税になると予想されます。

 

以上、これから建物を新築予定の方のための固定資産税に関するワンポイントアドバイスでした。
なお、建物新築等に関してはこの他にも軽減される税金がありますので、そのことも念頭に置いたうえで計画されるとよいでしょう。


(土地家屋調査士 松川 光夫)